さて久々の渾身の一台が組み上がりました
長いので時間がある時に読んでみて下さい
まずはベースとなるのは50〜70年ぐらい前の物であろう国産実用車フレーム
古い実用車のブランドはものすごい数があったらしく
細かなブランド詳細などは調べても皆無です
豪華なヘッドバッジに手書きのライン・フォーク肩のメッキパーツなど
往年の実用車は作り手のこだわりが伝わる物が多いです
作りもメチャクチャ頑丈なのでパーツ類を一新して
これからも50年ほど使えるように考えるのが最近のマイブームです
こいつをベースに街乗りなイメージな一台を組んでいきます
まずこの手の古い車両を組むときには
注意すべき点が有ります
現行のパーツと規格が共通なのかどうかってとこですね
それと錆などでパーツが外すことが可能かどうかも
ヘッド・BB・OLDなどしっかりと確認したほうがいいです
今回はBB規格が謎過ぎるサイズです
JIS 73mmみたいだけど(フレーム幅は75mm)
ワンのサイズが36mm!?
極めつけは右側ワンがフランジ部が斜めになっており
完全にアウトです
うーんこれは困ったと
BB部内側ネジ部分などを削って
別のねじ切ってあるBBシェルを打ち込んで固定すればいいんじゃないかと
閃きました
まずはPF30の音鳴り対策用のアルミ製のBBシェルを入れてみようと思ったんですが
BBシェルの真ん中部分が細くなっていて
外形を削り込んでいくと薄くなりすぎて強度的に使用不可だなと断念
次なる計画は
フレームビルダーさんにBBシェル部分を作ってもらおうかと思い
岡安製作所さんにメールで作れないかとご相談
そしたら73?BBのシェルがフレーム部材として
エンマバイシクルワークスさんに在庫がある事を調べて手配していただきました
激烈感謝です!
早速購入して静岡の東陽さんにお願いして
フレーム側のBB内側をリーマーで削ってもらい内径を測って
73?BBシェルの外形をその内径に合わせて旋盤加工で削ってもらい
プレスで圧入してもらいました
仕上げにエポキシ系の金属パテでも固定
妄想を具現化するにはいろいろな方のお力をお借りしております
感謝感謝
あとはパーツのセレクションです
オーナーさんと相談してある程度のパーツの構想を立てます
そしてそこに私の趣味主観を注入するという感じですね
まずは700Cのホイールサイズにして
太過ぎない35Cのタイヤ幅をチョイス
通勤に使用するので耐久性能の高いグラベルキングを選択
ホイールはピスト用の物を使用
乗る距離が短いのでシングルスピードを提案
少し軽いぐらいのギア比がストップアンドゴーが多い街乗りには最適かなと
ハンドルはアップライトなイメージが良かったので
VELO ORANGEのKLUNKER BAR
ステムはママチャリの物ですが短く加工して
色を落として磨き上げました
クラシカルなイメージに合うPDWのレザーグリップに
レバーはオートバイの ハーレー用のブレーキ・クラッチレバーのレプリカを
レバー部分を短く切って詰めて、削って先端とがらせて磨いて
タイコ部のカラーを旋盤加工で作って装着
ありきたりのレバーを装着するよりも
この車両の国籍不明・時代交差な感じに
上手くはまったと自画自賛であります
ケーブルアウター受けも旋盤で削り込んだりしました
サドルは座り心地と見た目の全体の統一感で
KASIMAX RMH-Sports
25.4シートポストは変わった形状の物が無いので
とりあえずスタンダードな物をチョイス
そして今回のパーツ類のメインともいえるのが
BOONE TECHNOLOGIESクランクです
90年代のMTBブームの頃の逸品が復活して発売されています
Boone Twist! V2.0 CranksのスクエアBB用に
1975年ごろの3ボルトタイプのSHIMANO 600 チェーンリングを
組み合わせたら最高にかっこいいだろうなと妄想爆発
BOONE TECHNOLOGIESにPCD95・3ボルトのスパイダーを特注して
往年のSHIMANO 600のチェーンリングを無事組み合わせました
ペダルはMKS / No.3000 Pedal
これはむかーしから実用車などに使われてきた伝統あるペダル
フレームの年式とも合うかなと
73?BBの軸長が選べないせいもあるのだが
チェーンラインがどうしても外に出てしまったのを解消するのが
これまた50年以上前だと思う
suntuor製の3速ボスフリー デッドストック!
クランクボルトキャップやケーブルアウター・ケーブルエンドキャップなどには
真鍮製の物を使用
使うごとに経年劣化で良い風合いになって行くでしょう
キャリパーブレーキ一にも一癖入れてみました
フロントは往年のフランス系 CLBセンタープルをチョイス
それならばとヘッドセットに挟むアウター受けも
フランス製の物を合わせました
センタープルを引っ張るチドリがこれに合わせるにはどうしたもんやらなと
考えたけどいい物見つからなかったので
shimano製のチドリを削って形をシェイプして使用しました
リアブレーキは何と電動自転車に使われている
センター部分が動くキャリパー的な物を使用(名称不明)
重量のある電動自転車をしっかりと止めている物なので
安心感のある制動力が期待できると思います
チェーンステーに挟み込んで使用
挟むステンレス板はレザーカットにて製作
こういう車両を組むときに10年以上前とかは
似合うケーブルアウターが無くて困ったのですが
現在では日泉ケーブルさんが様々なアウターを出してくれているので
非常に助かります
どうですかこの眺めカッコイイの言葉以外出てきません
今回も満足いく仕上がりで
やり切った感があります!
セオリーなどが存在しないこういった車両のkustomは
誰にでも作るわけでは無いです
時間もかかるし 何よりも思い入れが強くなるので
あんまり知らないような方にはやりません
乗ってる人のイメージが湧かないってのも理由です
歴史ある車両を これからも末永く乗っていけるような状態に仕上げる
自転車屋冥利に尽きますね
大きな画像はこちらから
今回の自転車のオーナーは
静岡市中心街でメキシコ料理屋を営んでいるので
自転車見学ついでに美味しいメキシコ料理を食べに行ってみて下さい
エル・ポジート https://akr2342971360.owst.jp/
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